みんなで作るビジネスガイド

商品概要

「収穫のうち4分の3を国用として用い、
残りの4分の1を将来のために残しなさい」
(二宮尊徳)

「国に9年の蓄えなきを不足といい、
6年の蓄えなきを急という。
3年の蓄えなきを、国その国に非ずという」
(『礼記』王制第五)

本書は2018年10月に刊行された『財務経営力の強化書』の姉妹本。
前著では財務経営力を中心に解説したが、本書では資金調達力を深堀りする。途中コロナ禍などもあり融資制度も企業にとっても利用しやすくなった。非対面でのビジネスモデルへのシフトが一気に加速するなどビジネス環境も大きくかわる。その一方で事業性評価、ローカルベンチマークについても制度が充実してきた。今回の大きなビジネス変化を、10年先の自社を見つめるヒントとする1冊。巻末には財務経営力の基本知識を収録。


難局を生き残るには
●ブレない判断基準をもつこと
●歴史観を基に先を読むこと
●何が何でも関係者を護る覚悟をもつこと

本書は、前著『財務経営力の強化書』の続編として、
「資金調達力」を高めるために、どのような知識と行動が必要か、
に焦点をあてて執筆しています。
ただし、単純な資金調達の方法を解説したものではありません。
資金調達を目的化してはいけないのです。
関係する人々の幸福を実現するために
「より良い会社」の創造を通じて「より良い社会」を
実現することが資金調達の共通目的であり、
その目的を達成するための手段として
位置づけるべきだと考えます。

■社会経済環境が大きく変化する

本書の校正時にウクライナ危機が勃発しました。
まだ、日本では対岸の火事のようにも思えますが、
同国は世界的な小麦の生産地帯でもあります。
食品原料や原油価格の高騰など、
ここ30 年で経験し、マインドとして共有していた
「デフレ」の考え方を切り替えていかないといけないような
値上げも続いています。
令和4年3 月30 日の新聞でも
「新発40 年物国債の利回り」が急上昇するという報道があり、
為替相場も急速に円安に振れるなど、
コストプッシュインフレの足音が
ひたひたと忍び寄っているように感じます。
今までの企業経営の考え方を再考し、
再構築する分岐点に我々は立っているように感じます。

2019 年に中国武漢に発生した新型コロナウイルスは
瞬く間に全世界に蔓延し、
3年たった今でもオミクロン株の急拡大により、
いつ終息するかがわかりづらい状況になっています。
政府もコロナ対策で緊急融資を拡大させるなどの対策を
講じていますが、問題はこの感染症が終息するか、
返済猶予期間が終了した時、
どれだけの企業が安定して返済が可能なのか、
ではないでしょうか。

■資金調達の本質と企業経営

資金調達というと、
中小企業の経営者は金融機関からの融資を思い浮かべると思います。
しかし、融資そのものだけでなく、
平時に一定の利益や資金を蓄積することが、
企業を防衛する一番の近道になりますし、
日ごろから情報(財務・非財務含む)開示に積極的な企業に、
金融機関も安心して貸したいと思うはずです。

企業には固有の役割があり、
それがあるから、社会に存在を許されています。
この意味で、今のような不透明な時代こそ、
自社の存在意義や目的、固有のお役立ち、社会との約束を再確認し、
その観点から自社を再構築していくべきと考えます。
そして、その事業再構築の過程で資金が必要となることがあります。
そのような資金を円滑に調達するためにどうすべきかを
読者と一緒に考えていきたいと思います。

本書でも、経営計画について一部取り上げています。
確かに経営計画書の提出は融資の際に有利になるだけでなく、
今後は必須の条件になってくるものと思われます。
しかし、融資のためだけ、あるいは補助金獲得のためだけに
経営計画をつくることはやめてもらいたいのです。
経営計画書をつくる過程で、今一度創業の原点に立ち返り、
存在意義を再確認するなど、
前述した自社の再構築の手段として活用するのが
重要なのです。
雪だるまをつくるには、
まず、小さい雪玉をつくります。
しかもその雪玉はぎゅっと固くつくらなければ
周りの雪を巻き込んで大きな雪だるまをつくることはできません。
小さな自然界の現象でさえ、
我々にさりげなくこのように教えてくれています。
現在のような先が見えづらい状況だからこそ、
企業においても「核」となるものをしっかりともちたいものです。

■経理人財も成長すべき

また、生産年齢人口が急速に減少していく社会では、
生産性向上にはITの利活用が必要不可欠になってきます。
本書でも会計を中心としたIT化、DXについても言及しました。
従来、会計業務はコストといわれていましたが、
その業務を財務諸表の作成から、
その活用や経営陣への提言に拡大していけば、
企業の発展にも大きく貢献していくことでしょう。
このためには、社内の制度を変えるというより、
経理人財自らがそれに気づき、
参謀としての知識やノウハウを蓄積していくことこそが
必要とされます。
AIの進展によって、
経理人財は不要になるとの論調もありますが、
このように自らを、そしてその業務を変革すれば、
決してAIに負けることはなく、
逆にそれを活用していく人財へと変貌を遂げることでしょう。

■信頼・信用こそが礎

同じような規模や社歴であっても、
資金調達ができやすいところと
そうでないところがあります。
その理由を突き詰めると、
「信頼」と「信用」の差になるのではないかと思います。
資金調達力を高めるためには、
手法・テクニックではなく、いかに、金融機関などの資金提供先から
「信頼」「信用」されるか、一緒に成長したい、
高い志をもっている企業を支援したいと思われるかどうかにつきるのです。

この意味で、読者の皆様の1社でも多くが、
「良い会社」を創造することにまい進していただきたく、
その一助となれば幸いです。

会社情報

ブランド名	あさ出版
ブランド名カタカナ表記	アサシュッパン
ロゴ
会社名	株式会社あさ出版（ASA Publishing Co.,Ltd.）
代表者名	田賀井弘毅
設立国	日本
設立年月日	1991年3月31日
連絡先	TEL：03-3983-3225
会社住所	〒171-0022 東京都豊島区南池袋2-9-9　第一池袋ホワイトビル6階
初投稿者	mamia
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